看護業界の実態

看護業界の実態

なぜ、看護師不足が解消されないのか?看護業界の実態

まず、原因として、2006年4月に導入された7対1入院基本料が考えられます。それ以前は、10対1もしくは13対1の配置がほとんどでした。病院側も経営をしていく上で、より多くを貰える7対1の入院基本料を導入したいため、各病院が看護師の確保に取り組むようになり元々不足気味だったのに、さらに看護師不足は進んでしまったのです。
しかし毎年行われる看護師国家試験の合格者数は、約5万人。つまり、毎年5万人近くの看護師が誕生しているにも関わらずなぜ、看護師不足は解消されないのでしょうか?
それは、新しく看護師になる人以上に看護師を辞める人が多いからです。その理由としてやはり仕事がハードであることが挙げられます。休暇が取りにくかったり、急患が入ると退勤時間になっても退勤できない場合もあります。また、夜勤があることから、育児が困難になったり、特に、結婚・出産を経たナースにとっては、育児と家事、仕事の両立は難しいものがあります。勤務形態や復職しづらい環境など様々な原因から、看護師を辞めてしまうケースが多いようです。

その他の要因

看護師全体の5%がうつ病など、何らかの「心の病」を抱えているという報告もあります。
看護師不足に伴い、仕事量が多くなるなど、看護スタッフ1人1人にかかるストレスはさらに拡大していると考えられています。このような結果から、多くの看護師が精神的・肉体的に追い込まれ離職してしまう‥根本的な解決策が見出せない中、国も看護協会も離職防止に力を注いでいますが、なかなか改善するに至っていないのが現状です。

勤務形態の過酷な現状

勤務時間の定時がきても仕事が終わらず、なかなか帰ることができないというのも問題点の一つです。もちろん、夜勤であれば、たいていの事業所ではそれなりの夜勤手当てがつくものです。しかし、実際に行っている仕事内容と報酬が見合わないことも多く、過度の疲労やストレスが溜まり退職する看護師が多いようです。特に看護師と言う仕事は、勤務中は常に緊張し、気を抜くことができません。看護師が無理なくイキイキと働ける環境が整っている病院はまだ少なく、多くの看護師は何らかのストレスを抱えながら働いているようです。今後、この問題を改善していかない限り、看護師の過酷な職場環境は変わらず、負担が増えてしまいます。

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